デコパージュという言葉はフランス語(decoupage)で【切り抜く】という意味です。
現在では木製家具、陶器、ガラス、布、皮、金属等に
切った印刷紙を切り貼りする工芸の総称です。
デコパージュの起源は16〜17世紀頃、東洋の工芸(漆塗り)に影響されたイタリアの家具職人が考案された物と考えられています(諸説あります)。
日本発祥の漆工芸そのものは大変手間のかかる物だったためイタリアでは印刷された版画や絵柄をそのままカットして家具に貼る手法と変化していきました。
この手軽な表現方法はその後イタリアから
フランス、イギリスへと渡りました。
上流貴族の嗜みとしても伝播しマリー・アントワネットも楽しんだ工芸の一つとされています。
上記のデコパージュは印刷物をそのまま溶剤で貼るため、表現部分に紙の厚みが出てしまうのが特徴です。
その後この手法はアメリカに渡り、シャドーボックスという立体的な表現ができる工芸としても独立していきました。
現在でもとても人気のある工芸です。
近代になるとイタリアを始めヨーロッパ各国では薄手で美しいライスペーパーやデコパージュペーパーが考案され、貼った部分が目立ちにくい手軽で親しみやすい工芸として
一般に普及していきました(諸説あります)。
それとともに表現方法もバリエーションが豊かになっていきます。
背景に大理石模様やアンティーク加工を施したり、貼るベースに粘土を盛り上げる3D表現などデコパージュに様々な絵画的な表現が取り入れられるようになりました。
当方でご紹介するのはドイツで現代に考案された
ペーパーナプキンを使うデコパージュです。
素材であるペーパーナプキンをハサミでカットし
白い、或は白く塗った素材に貼ります。
ドイツは紙の印刷技術が大変優れており
色の表現や印刷の繊細さが素晴らしいとされています。
デコパージュペーパー、ペーパーナプキンの種類の豊富さと美しさは世界一です。
このペーパーナプキンを使用する工芸は元々【serviettentechnik】
セルヴィエッテンテヒニーク
と呼ばれている大変ポピュラーな工芸です。
当方では呼びやすく、ジャーマンデコパージュと
ご紹介しています。
ペーパーナプキンの薄さが素材と良くフィットするのでトールペイントやステンシルの技術と合わせるとより幅のある表現が楽しめる工芸です。
取り組みやすいので是非チャレンジしてくださいね♪